網膜疾患|たなか内科眼科|嘉島町鯰の内科・眼科・呼吸器科・アレルギー科

〒861-3101熊本県上益城郡嘉島町鯰1898-3

096-235-7235

初診の方へ
下層ヘッダー

網膜疾患

網膜疾患|たなか内科眼科|嘉島町鯰の内科・眼科・呼吸器科・アレルギー科

網膜疾患とは?

目をクローズアップした画像

網膜疾患とは、目の奥にある網膜に異常が生じる病気の総称です。網膜はカメラのフィルムのような役割を持ち、光を受け取って視覚情報を脳に伝える重要な組織です。網膜に異常が起こると視力低下や視野の欠損が発生し、放置すると失明に至ることもあります。日本では加齢や生活習慣病の増加に伴い、網膜疾患の患者数が年々増加しています。

主な網膜疾患の種類

網膜疾患にはさまざまな種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。

網膜剥離

網膜剥離

網膜が眼球の内側から剥がれてしまう病気で、突然の視野欠損や飛蚊症が現れます。早期の治療が重要で、放置すると失明のリスクがあります。特に強度近視の人は発症リスクが高いため、注意が必要です。

発症メカニズム

網膜剥離は、網膜の一部が裂ける(網膜裂孔)ことで眼球内部の液体が網膜の下に流れ込み、網膜が剥がれてしまうことで発生します。外傷や加齢、強度近視がリスク要因となります。

症状

  • 突然、視野の一部が欠ける
  • 光が走るように見える(光視症)
  • 飛蚊症の急激な増加

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

糖尿病によって網膜の血管が損傷し、視力低下を引き起こす病気です。進行すると硝子体出血や網膜剥離を伴い、失明に至ることもあります。糖尿病患者の約3割が発症するとされ、糖尿病の三大合併症のひとつです。

発症メカニズム

高血糖状態が続くと、網膜の細い血管が損傷し、血流が悪化します。これにより酸素不足が生じ、新生血管が異常に増加しますが、これらの血管はもろく、出血や網膜の損傷を引き起こします。

症状

  • かすみ目や視力低下
  • 視界に黒い影が現れる(硝子体出血)
  • 視界が暗くなる

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性

加齢に伴い網膜の中心部(黄斑)が障害される病気で、視界の中心がゆがむ・暗くなるなどの症状が現れます。特に欧米では失明原因の上位に位置する疾患です。日本でも高齢化に伴い患者数が増加しており、注意が必要です。

発症メカニズム

黄斑部に老廃物が蓄積することで細胞が傷つき、視細胞が減少します。さらに、新生血管型では異常な血管が増殖し、出血やむくみを引き起こします。

症状

  • ものが歪んで見える(変視症)
  • 視界の中心が暗くなる(中心暗点)
  • 色の識別がしにくくなる

網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症

網膜の静脈が詰まり、血流が滞ることで視力低下を引き起こす病気です。高血圧や動脈硬化がリスク因子とされています。治療を受けても視力が十分に回復しないことがあるため、早期発見と血圧管理が重要です。

症状

  • 片目の急激な視力低下
  • 視界の一部が暗くなる
  • 目のかすみ

網膜疾患の検査・治療

網膜疾患の検査

網膜疾患の診断には以下のような検査を行います。

  • 眼底検査(眼底カメラ)
    瞳孔の奥にある網膜の状態を観察します。
  • OCT(光干渉断層計)
    網膜の断層画像を撮影し、むくみや出血の程度を詳細に把握できます。
  • 蛍光眼底造影検査
    造影剤を用いて網膜の血流の状態を確認します。
  • 視野検査
    視野の欠損や狭窄を調べます。
  • 視力検査・眼圧測定
    視機能の総合的な評価のために行います。

網膜疾患の治療法

網膜疾患の治療は、疾患の種類や進行度によって異なります。以下に代表的な治療法を詳しく解説します。

抗VEGF薬の硝子体内注射(主に加齢黄斑変性・糖尿病黄斑浮腫など)

網膜の中心である黄斑に新生血管ができるタイプの疾患では、「VEGF(血管内皮増殖因子)」という物質が異常に分泌されます。これを抑制する「抗VEGF薬」を目の中(硝子体内)に直接注射する治療法です。
※注射は外来で行い、点眼麻酔により痛みはほとんどありません。

レーザー光凝固術(糖尿病網膜症・網膜裂孔・静脈閉塞症など)

網膜に発生した異常な血管や裂け目にレーザーを照射し、進行を食い止める治療です。

  • 特徴:網膜の出血やむくみ、網膜剥離の進行を予防します。
  • 外来で短時間で実施可能。麻酔用の目薬を使用し、痛みは軽度です。
  • 視力の改善よりも進行抑制を目的とします。

硝子体手術(網膜剥離・硝子体出血・黄斑前膜など)

硝子体とは眼球内部を満たしているゼリー状の物質で、ここに出血や混濁がある場合や、網膜剥離の修復が必要な場合には、硝子体手術を行います。

  • 方法:眼球に極小の切開を入れ、硝子体を除去し、必要に応じて網膜を接着・固定します。
  • 麻酔:局所麻酔で行うことが多いですが、全身麻酔となることもあります。
  • 入院:日帰りまたは1〜数日の入院が必要な場合もあります。
  • 成功率:網膜剥離の手術成功率は90%以上とされますが、早期治療が重要です。

ステロイド注射・内服(黄斑浮腫など)

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症で黄斑にむくみが生じている場合、ステロイド薬の注射内服により炎症や浮腫を抑えることがあります。抗VEGF薬が効きにくいケースに併用されることもあります。

  • 副作用として眼圧上昇や白内障の進行などがあるため、慎重な経過観察が必要です。

治療後の注意点・再発予防

  • 定期的な通院と検査を継続しましょう
  • 糖尿病や高血圧などの基礎疾患の管理が重要です
  • 禁煙、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう

網膜疾患は再発する可能性もあるため、医師の指示に従い、継続的なフォローアップが重要です。

網膜疾患の予防方法

網膜疾患を予防するためには、生活習慣の改善が重要です。

  • 適度な運動:血流を改善し、糖尿病や高血圧を防ぐ。
  • バランスの取れた食事:緑黄色野菜や青魚を積極的に摂取し、抗酸化作用のある栄養を補う。
  • 禁煙:喫煙は網膜の血流を悪化させ、加齢黄斑変性のリスクを高める。
  • 定期的な眼科検診:早期発見が視力の維持につながる。

よくある質問

網膜疾患は遺伝しますか?

網膜疾患の中には、遺伝的要因が関与するものもあります。特に網膜色素変性症や一部の加齢黄斑変性は遺伝の影響を受けることがあります。家族に網膜疾患の方がいる場合は、定期的な眼科検診を受けることが大切です。

網膜疾患は自然に治りますか?

多くの網膜疾患は自然に治ることはなく、適切な治療が必要です。特に網膜剥離や糖尿病網膜症などは、治療を受けずに放置すると視力を大きく損なう可能性があります。

目に良い食事はありますか?

緑黄色野菜(ほうれん草、ケールなど)に含まれるルテインやゼアキサンチン、青魚に含まれるDHA・EPAが網膜の健康をサポートします。ビタミンCやEなどの抗酸化成分も重要です。

パソコンやスマホの使用で網膜疾患になりますか?

直接的な原因にはなりませんが、長時間の使用は眼精疲労を引き起こします。適度な休憩を取り、画面の明るさを調整することが推奨されます。

TOP